入社以来、がんも製造に携わっています。素材の豆腐は、気温や水温によって、出来上がりに微妙な違いが生じるため、毎日検食をして製造条件の調整をする必要があります。製造というと同じ機械を同じように動かすだけと思われがちですが、案外奥が深くデリケートな仕事です。やりがいは、お客様から届く「美味しい」の声。以前、「近くのスーパーで買えなくなった深谷ねぎがんもを取り寄せたい」と工場に直接電話がかかってきたことがあり、本当に嬉しく思いました。「心を込めてお客様に愛されるがんもづくりをしよう」と改めて感じた出来事でした。

製造は、品質にこだわることはもちろんですが、生産効率も大切です。「昨日よりロスを少なく」「いつもより早く作業を終わらせよう」など、自分の中で小さな目標を立てて仕事に取り組んでいます。目標を達成すれば会社がきちんと評価してくれるので、職場の業務改善も活発です。最近は、自分自身の成長のため、新しいことに挑戦する機会が増えました。「知識は荷物にならない」。そんな上司の言葉に後押しされ、他部署への研修や外部セミナーに進んで参加しています。多くを学んで技術の幅を広げ、キャリアアップしていきたいと考えています。

品質管理室は、安定した良品生産を守る重要な部門。生産の各工程で定められた安全基準を管理し、「いかに不良品の発生を防ぐか」に取り組んでいます。また、製造部と協力して、より良い商品を開発していく役割も担い、市場のニーズに応える挑戦を続けています。心に残っているのは、お取引先からの要望を受けた「キザミ油揚の賞味期限をチルド状態で延長する」という挑戦。難しい課題でしたが、油揚げの製法から改良し、1年弱の期間をかけて開発に成功しました。お客様の目線になって、品質と美味しさを追求した仕事でした。

当社の中核を担う幹部は、年齢層が30～40代と若く、組織の柔軟性があります。年齢や役職に関係なく、意見を言いやすく、やる気があれば誰もがキャリアを積める環境です。私が入社6年目で主任になれたのも、上を目指して仕事に取り組む姿勢が認められたから。「女性にも頑張ってほしい」と社長から直接声をかけてもらうことも多く、働くモチベーションにつながっています。入社当初と比べて、社内に一体感が生まれ、会社が良い方向に向かっている実感もあります。組織としてこれからもっと良くなっていく。そんな雰囲気を感じています。

関東・北信越エリアのスーパーを担当し、新規お取引先の開拓に取り組む毎日です。当社の商品は、これまで惣菜工場に納める業務用が中心でしたが、最近は富岡食品の名前が付いた小売り用にも力を入れ、新たな市場展開を目指しています。きっかけは、生で食べても美味しい「深谷ねぎがんも」。大手スーパーのバイヤーさんに試食していただいた際、「富岡食品にこんないい商品があったんだ」と評価してもらい、大口のお取引が始まりました。「美味しいものをつくれば市場は広がる」と自社商品に自信を持ち、営業の醍醐味を味わった経験でした。

大手とのお付き合いによって「富岡食品の商品は間違いない」という評価は定まりましたが、まだまだ販路は弱く、定期訪問しても毎回断られるスーパーもあります。でも、こだわりを持って付加価値の高い商品をつくっている自信があるので、あきらめることなく売り込みを続けています。想いが伝わってスーパーの棚に当社の商品が並び、お客様に手に取ってもらう瞬間の喜びは、何物にも代えがたいからです。今後の目標は、富岡食品ブランドを世の中にもっともっと広めること。営業部のチームワークでどんどん販路を拡大していきたいと思っています。